Googleは、Gemini 3.1 Proをプレビューとして公開した。先週リリースされたGemini 3 Deep Thinkに続く発表で、その推論の中核を担うモデルを幅広い製品に展開する。

これは何の話?

Gemini 3 Deep Thinkで科学・研究・工学向けに高度な推論能力を発揮したが、今度はその「推論の核」をGeminiアプリや開発者向けAPIなどの日常的なプロダクトに展開する、というのが今回の発表だ。

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何が起きているか

2026年2月20日(現地時間)、GoogleはGemini 3.1 Proをプレビューとして提供開始した。展開先は次のとおりだ。

対象 利用可能なプラットフォーム
開発者 Gemini API(AI Studio)、Gemini CLI、Google Antigravity、Android Studio
企業 Vertex AI、Gemini Enterprise
消費者 Geminiアプリ(AI Pro・Ultraプラン)、NotebookLM(Pro・Ultraのみ)

Gemini 3 Proが2025年11月にリリースされてからの約3か月で、ユーザーのフィードバックと開発の進展をもとにこのアップデートが行われたとGoogleは説明している。

ベンチマーク結果

注目の数値はARC-AGI-2でのスコアだ。ARC-AGI-2は、まったく新しい論理パターンを解けるかを評価するベンチマークで、Gemini 3.1 Proは検証済みスコアで77.1%を達成した。Googleは「Gemini 3 Proの推論性能の2倍以上」としている。

「高度な推論を日常へ」の具体例

Googleは4種類の活用デモを公開している。

コードアニメーション: テキストプロンプトからWebサイト対応のアニメーションSVGを直接生成。ピクセルではなくコードで構築されるため、拡大しても劣化しない。

複雑システムの統合: 公開テレメトリストリームを設定して国際宇宙ステーションの軌道をリアルタイムで可視化するエアロスペースダッシュボードを構築するデモ。

インタラクティブデザイン: 3Dの椋鳥の群れ(スターリング変容)を描画するコードを生成。ハンドトラッキングで群れを操作でき、動きに応じて変化する生成音楽も付随する。

クリエイティブコーディング: Emily BrontëのWuthering Heightsの文学的テーマを現代的なポートフォリオサイトとして実装。小説の雰囲気をデザインに落とし込んだ。

プレビューリリースの意味

Googleは今回の提供を「GAリリース前のバリデーションフェーズ」と位置づけている。特にエージェント的なワークフローの高度化に向けた改善を引き続き行い、まもなく一般提供(GA)を予定しているとしている。

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なぜ重要か

Gemini 3 Deep Thinkが研究者向けの「極限性能」を目指していたのとは対照的に、3.1 Proは「複雑な推論を実用的な問題に活かす」ことに軸足を置いている。NotebookLMへの統合やGeminiアプリへの展開は、その推論能力を一般ユーザーが日常的に使える場面に持ち込む試みだ。

ARC-AGI-2での77.1%という数値は、前モデルからの改善幅として印象的だが、このベンチマーク単体で実際の用途における優位性を断言するのは難しい。実際の複雑タスクへの適用結果が積み上がることで、能力の実用上の意味が明確になっていくだろう。

So What?

Gemini 3.1 Proは先週のDeep Thinkに続き、Googleが急速に核モデルを更新していることを示している。今回の「プレビュー展開」という形は、ユーザーの実使用データを集めながらGAリリースに向けて最終調整を行うスタイルだ。Gemini API経由で開発者がすぐに試せる状態になっているため、エージェントワークフローやコード生成の分野での活用事例が今後数週間で蓄積されることが予想される。

出典と日付