1. これは何の話?

⚠️注意:本稿は自己責任の実験記録です。電気刺激デバイスの利用は安全に配慮し、決して無理をしないでください。

習慣化アプリやリマインダーに何度も挫折してきた人向けに、「AIエージェントに物理的な罰を与える権限を渡す」という実証実験の記録を紹介します。Pavlokという電気刺激可能なウェアラブルとCLI型AIエージェントを組み合わせ、コーチング役として常駐させる構成です。

実験の仕組み:
1. 悪習慣を自己申告(懺悔)
2. AIエージェントが判断
3. Pavlok APIで電気刺激を送信
4. その場で反省して行動を戻す

結果として「物理刺激権限を付与する前提のAgent設計で人は大きく変われる」という手応えが得られたと報告されています。

電気ショックAIコーチング概要

2. 何がわかったか

実装は最小構成で、Claude Code CLIにコーチング方針(AGENTS.md)を設定し、Pavlok APIを通じて刺激を送信する仕組みです。電気刺激の強度は1〜100で調整可能であり、バイブレーション(vibe)やビープ音(beep)も選択できます。

実際に得られた行動変容として、午前中にジムへ行けるようになった、パチンコ店を見ても「電気ショックが怖い」が先に来て行きたくなくなった、ラーメンを食べたいと思っても踏みとどまれるようになった、の3点が報告されています。

著者は「数十万円するコーチングに匹敵する効果」「実装のシンプルさに対して結果がデカすぎて驚いた」と述べています。

憺悔型コーチングのプロセス

3. 他とどう違うのか

従来のリマインダーやToDo管理アプリは「守らなくても痛くない」という致命的な弱点がありました。通知を無視しても何も起きないため、誘惑に負け続ける構造です。

本実験では発想を反転し、「守らなかったら痛い(物理的コストが発生する)」「それを自分の意思ではなく、Agentが淡々と実行する」という仕組みを構築しています。自分で罰を与えるのではなく、外部化されたAIが判断・執行するという点が従来の自己管理手法と決定的に異なります。

導入前後の行動変容比較

4. なぜこれが重要か

この実験は、AIエージェントが「人間の行動を変える力」を持ちうることを具体的に示しています。商用サービスでは倫理的・法的理由から絶対に実装できないアイデアですが、OSSプロジェクトとして個人利用の範囲で検証可能です。

リモートワーク環境での自己規律の崩壊(深夜アニメ・二度寝の常態化等)に悩む人にとって、外部コストを導入するアプローチは一つの選択肢になりえます。ただし、電気刺激が苦手な人や健康上の問題がある人は絶対に模倣すべきではありません。

5. 未来の展開・戦略性

現状は「振り返り型コーチング(懺悔部屋)」という最小実装ですが、著者は今後のロードマップとして常時監視レベルへの発展を構想しています。スマートウォッチのセンサーデータ連携や、Google Calendarとの自動同期による予定遵守チェックなどが検討されています。

OSSプロジェクト(GitHub公開)として参加を募集しており、「商用サービスでは絶対に実装できないアイデアを試したい方」への呼びかけが行われています。物理刺激×AIエージェントという組み合わせは、行動変容研究の新たな実験フィールドになる可能性があります。

最小実装のアーキテクチャ

6. どう考え、どう動くか

あるリモートワーカーが夜型生活から抜け出せず苦しんでいるとします。まずは「守らなくても何も起きない」状態を認識し、外部コストを導入する余地があるかを検討することが第一歩です。

指針(3項):

  • Pavlokの電気刺激は強度調整可能だが、心臓疾患等がある場合は絶対に使用しない。
  • 最初はvibeやbeepから始め、効果がなければ段階的に強度を上げる。
  • 「自己申告→AI判断→刺激」のループを回すことで、行動パターンを可視化する。

次の一歩:

  • 今日やること:Pavlok公式サイトでAPI仕様を確認し、自分の悪習慣リストを作成する。
  • 今週やること:最もやめたい習慣を1つ選び、振り返り型コーチングを3日間試す。

7. 限界と未確定

  • 著者1名の自己実験であり、他者への再現性や長期効果は不明です。
  • 電気刺激への慣れ(耐性)が生じる可能性や、心理的副作用は未検証です。
  • 常時監視モードは未実装であり、自己申告ベースの運用に限定されています。

8. 用語ミニ解説

行動習慣の変容を目的としたウェアラブルデバイスです(Pavlok)。API公開により外部プログラムから電気刺激・振動・音を制御可能です。

9. 出典と日付

Qiita motoya0118(公開日:2025-12月 / 最終確認日:2026-01-03):https://qiita.com/motoya0118/items/da163b7f7b53fc445f63