1. これは何の話?
Zhipu AIが産業グレードのオープンソース画像生成モデル「GLM-Image」を発表しました。このモデルは自己回帰(Auto-regressive)モジュールと拡散デコーダを組み合わせたハイブリッドアーキテクチャを採用しています。自己回帰部分はGLM-4-9B-0414をベースに9Bパラメータ、拡散デコーダはCogView4をベースに7Bパラメータで構成されています。一般的な画像生成品質では主流のLatent Diffusionモデルと同等ですが、テキストレンダリングや知識集約的な生成シナリオで顕著な優位性を示します。

2. 何がわかったか
GLM-Imageの技術的な特徴は以下の通りです:
- セマンティックVQトークン: 情報の完全性よりも意味的関連性を優先するトークン化戦略を採用。XOmniのトークナイザーを実装し、より良い意味的相関を実現
- 段階的な解像度トレーニング: 256px → 512px → 512〜1024pxの複数段階でトレーニング。最終出力解像度は1024〜2048px
- プログレッシブ生成戦略: 高解像度トークン生成前に、まず約256トークンのダウンサンプル版を生成してレイアウトを決定
- Glyph-byT5統合: 複雑なテキスト(特に中国語)のレンダリングを強化するための軽量モデルを導入
テキスト画像生成だけでなく、画像編集、スタイル転送、ID保持生成、マルチサブジェクト一貫性など豊富なimage-to-imageタスクもサポートしています。
3. 他とどう違うのか
従来の拡散モデルは複雑な指示理解や知識集約的なシナリオで課題がありました。GLM-Imageは2つの目標を分離した設計を採用:
- 自己回帰生成器: 低周波の意味的信号を持つトークンを生成
- 拡散デコーダ: 高周波の詳細を洗練して最終画像を出力
この役割分担により、一般的な画像生成タスクで安定したパフォーマンスを発揮しつつ、知識表現が必要なクリエイティブワークで顕著な優位性を持ちます。ポストトレーニングでは、自己回帰モジュールと拡散デコーダをそれぞれ別の報酬関数で最適化する「分離型強化学習」を採用しています。
4. なぜこれが重要か
オープンソースで産業グレードの自己回帰画像生成モデルは少なく、GLM-Imageはこの分野で初のものとされています。テキストレンダリング精度が重要なユースケース(ポスター、ロゴ、教育資料など)や、中国語テキストを含む画像生成で特に価値があります。また、GitHub/HuggingFaceで公開されているため、研究者や開発者が自由に活用・改良できる点も重要です。
5. 未来の展開・戦略性
Zhipu AIはGLM-4やCogViewシリーズで培った技術を統合し、画像生成市場でのポジションを強化しています。自己回帰+拡散のハイブリッドアプローチは今後の画像生成モデルの設計に影響を与える可能性があります。さらにz.aiのAPIとしても提供されており、商用利用も視野に入れた展開です。
6. どう考え、どう動くか
たとえば、教育コンテンツやマーケティング素材で複雑なテキストを含む画像が必要な場合、GLM-Imageの強みを活かせるかもしれません。
- 自社プロジェクトで「テキストを含む画像生成」の品質課題がないか確認する
- HuggingFaceモデルをダウンロードしてローカルでテスト生成を試す(要GPU)
- z.ai APIを試用して、既存の画像生成パイプラインと比較する
次の一歩:
- 今日やること:GitHubリポジトリのREADMEを読み、必要なハードウェア要件を確認する
- 今週やること:テキストレンダリングベンチマークで定量比較し、自社要件に合うか判断する
7. 限界と未確定
- 9B+7Bの複合モデルのため、推論には相当のGPUメモリが必要と推測される(具体的な要件は公開情報で未確認)
- ベンチマーク結果(CVTG-2k, LongText-Bench等)のスコアは参照ページに表形式で掲載されているが、本記事時点では詳細な数値比較は省略
- 日本語テキストレンダリングの品質は中国語ほど最適化されていない可能性
8. 用語ミニ解説
- セマンティックVQとは、意味的関連性を優先した視覚トークン化手法です(Semantic Visual Quantization)。以後「セマンティックVQ」と呼びます
- DiT(Diffusion Transformer)とは、拡散モデルにTransformer構造を採用したアーキテクチャです。以後「DiT」と呼びます
9. 出典と日付
Zhipu AI / Z.AI(公開日:2026-01-15):https://z.ai/blog/glm-image GitHub:https://github.com/zai-org/GLM-Image HuggingFace:https://huggingface.co/zai-org/GLM-Image





