これは何の話?
Sectionが企業内の知識ワーカーを対象に、AI活用ユースケースを発見・構築・共有できるエージェント「ProfAI’s Use Case Coach」を発表しました。単にツールを提供するだけでなく、実際に使いこなすための仕組みを用意し、AI導入の定着を支援することが狙いです。[1]
何がわかったか
- 同社の調査によると、AIを導入しても90%以上の従業員がメール要約など単純タスクでしか使えておらず、「ユースケース砂漠」が発生している。
- Use Case Coachは①役割別のおすすめ、②カスタムユースケースの作成支援、③社内の共有ライブラリ、④企業がすでに導入しているLLMへの直接ルーティングといった機能を含む。
- 目的は各従業員が高価値なユースケースを継続的に生み出し、社内知を循環させる運用モデルを作ることにある。
他とどう違うのか
多くのベンダーはAIツール自体の提供に注力していますが、Sectionは「使いこなす仕組み」を製品化しています。社内の知見共有とユースケース構築支援をエージェント化し、従業員一人ひとりをAI活用者にする点が特徴です。
なぜこれが重要か
AI導入の失敗は「導入したが使われていない」ことに起因します。Use Case Coachのように、ユースケース発見・検証・共有を支援する仕組みがあれば、投資対効果を高めつつ継続的な改善につなげられます。
未来の展開・戦略性
今後は「どれだけAIを使わせられるか」という組織能力が競争軸になります。ベンダーもユーザビリティ向上や社内共有機能を強化し、顧客の定着率を伸ばす方向に進むでしょう。
どう考え、どう動くか
例:社内でAIツールを導入済みだが利用が伸びていない領域をリストアップする。
- 営業、マーケ、法務、HRなど知識ワーカー部門で「AIでやりたいができていない業務」をヒアリングし、少なくとも3件のユースケース候補を集める。
- 候補ごとに必要なデータ、ガバナンス、スキル、LLMルーティングの要件を整理し、既存のAI基盤で対応できるかを評価する。
- Use Case Coachのような支援ツールやベンダーを比較し、社内展開のロードマップを描く。
次の一歩:
・今日やること:Sectionの発表をAI推進担当/L&Dチームに共有し、自社で起きている「ユースケース砂漠」を確認する。
・今週やること:社内アンケートやインタビューでAI利用状況を数値化し、定着度を測るサーベイを実施する。
限界と未確定
- 発表時点では導入社数や成果指標が公開されておらず、効果は実証段階にある。
- 従業員がユースケースを構築するにはデータ品質、ITリテラシー、ガバナンスなど前提条件が必要で、全社的に整っているとは限らない。
- 価格やライセンス、導入支援範囲などの詳細は非公開であり、投資判断には追加情報が必要。
出典と日付
[1] Business Wire(公開日:2025-11-12/最終確認日:2025-11-12)