1. これは何の話?
n8nがメジャーバージョンアップとなるv2.0を発表し、12月にベータ(8日頃)と安定版(15日頃)を順次リリース予定と告知しました。AutosaveやキャンバスUI刷新、サイドバー改善に加え、破壊的変更に備えるMigration Reportが用意されています。1.x系はリリース後3か月間、バグ・セキュリティ修正のみ継続サポートされます。
2. 何がわかったか
公式コミュニティ投稿では、v2.0で複数の破壊的変更が入るため、v1.121.0以降にMigration Report機能を搭載し、アップグレード前に影響箇所をリストアップできるとしています。Autosaveやキャンバス刷新でUI/UXを再設計し、セルフホスト・クラウド・Business/Enterpriseすべてで利用可能と明言されています。LinkedIn等では2025年アップデートとしてAIノード70+追加、AI Workflow Builder、実行数ベース課金への移行なども紹介されています。
3. 他とどう違うのか
自ホスティング可能で細かい制御が特徴のn8nが、Migration ReportやBusinessプラン整備で「長期運用前提のエンタープライズ基盤」に寄せている点が差分です。単なるUI刷新ではなく、破壊的変更を安全に進める導線を公式に用意し、AIエージェント基盤としての役割を強化しています。
4. なぜこれが重要か
趣味の自動化から組織的なAIワークフロー運用へと軸足を移すためのリリースです。セルフホスト企業にとっては、実行数ベース課金やGit/SSO対応と合わせて「自前インフラでAIオートメーションをスケールさせる」現実的選択肢になります。逆に導入するならv2系前提で設計し直した方が長期コストは抑えられる可能性が高いです。
5. 未来の展開・戦略性
v2.0で基盤を固めた後、AIノード拡充やエージェント連携が進めば、iPaaSとRPAの一部が「エージェント+n8n」型に置き換わる可能性があります。SaaS側はコネクタを出し、複雑なロジックはn8nに寄せる構図が強まり、オーケストレーション層としての地位が上がります。
6. どう考え、どう動くか
具体例:問い合わせメール→n8n→LLMで分類→CRM登録→Slack通知のフローを作り、Migration Reportで影響を確認しながらv2.0に移行する。
指針:
- 既存ユーザーはテスト環境でMigration Reportを走らせ、影響が少ないフローからv2.0へ移行する。
- CSやバックオフィスなどメール+SaaSをまたぐ定型フローが多い部門から優先的に検証する。
- AIノード追加、Businessプランの料金、ジョブキューやエラー処理の改善を重点的にウォッチする。
次の一歩: ・今日やること:自社n8nのバージョンが1.121.0以降か確認し、Migration Reportの有無をチェックする。 ・今週やること:代表的な3フローを選び、v2.0移行時のリスクとメリットを表に整理する。
7. 限界と未確定
- 公式の最終リリースノートは未公開で、詳細機能や互換性は今後変わる可能性があります。
- 実行数ベース課金の単価やEnterprise条件は一般公開されておらず、営業確認が必要です。
- 既存プラグイン・カスタムノードの互換性は構成次第で異なり、個別検証が不可欠です。
8. 用語ミニ解説
- Breaking Changes:後方互換性を壊す変更。アップグレード時に既存ワークフローの修正が必要になるタイプの変更。
9. 出典と日付
n8n Community(公開日/最終確認日:2025-11-25/2025-11-28):https://community.n8n.io/t/announcing-n8n-version-2-0-coming-soon/226475