1. これは何の話?

n8nが2025年12月にn8n 2.1.0ベータとして「Chat Hub」機能を公開しました。ワークフロー自動化ツールのn8nに詳しい開発者や、社内AIチャット環境を検討するIT管理者向けに、この新機能の概要を整理します。

Chat Hubは、単一のチャットインターフェースからn8nワークフロー、独自エージェント、複数のAIモデルへアクセスできる統合チャット環境です。LibreChatやLangdockのような製品と同様に、自然言語でAIと対話しながら業務を進められます。

2. 何がわかったか

Chat Hubの主な特徴は3点あります。まず、ユーザーが裏のワークフローを見ることなくエージェントと対話できる「ワークフローエージェント」機能です。次に、ユーザーに「Chat only」ロールを割り当てることで、ワークフローの編集・閲覧権限を与えずにチャット機能だけを提供できます。

そして、チャットインターフェースがn8n本体に組み込まれているため、Slackなどの外部ツールに依存せずにChatGPT風のAI体験を社内向けに構築できます。これにより、チームや企業がAIモデルとエージェントの利用状況をn8n側で集中管理し、コストとセキュリティを統制できます。

3. 他とどう違うのか

従来のn8nでは、ワークフローを実行するにはトリガー設定やWebhook呼び出しが必要でした。Chat Hubはその操作を自然言語に置き換え、ノンテクニカルなユーザーでもワークフローを活用できる導線を作ります。

また、Slack連携などでAIチャットを提供する場合はサードパーティとの設定が必要でしたが、Chat Hubはn8n内で完結するため、導入・運用の手間が軽減されます。

4. なぜこれが重要か

AI活用において「誰がどのモデルを使い、何のデータにアクセスするか」を管理することは、企業ガバナンス上の重要課題です。Chat Hubはこれを集中管理できる設計になっており、野良GPT利用の抑止やコストの可視化に寄与します。

ノンテクニカルな利用者がワークフローを意識せずにAIを活用できる点も、DX推進において大きな価値があります。ワークフローを作れる人と使う人を分離した運用が可能になります。

5. 未来の展開・戦略性

n8nはn8n 2.0でエージェント機能を強化した直後にChat Hubを投入しており、「自動化+AI+チャット」の統合プラットフォームを志向していることが明確です。今後はエージェント間連携や、より高度なコンテキスト保持機能の追加が見込まれます。

オープンソース版でもこの機能が利用可能な場合、セルフホスト環境での社内チャットボット構築ニーズを取り込める可能性があります。

6. どう考え、どう動くか

たとえば、社内で「各部署から質問が来たら関連ドキュメントを返す」ワークフローを作っている場合、それをChat Hub経由で提供することで、ユーザーはSlack連携なしでチャットから利用できるようになります。

指針:

  • n8n 2.1.0ベータへのアップグレード条件(セルフホスト/Cloud)を確認する。
  • 既存ワークフローの中で「チャット経由で呼び出せると便利」なものをリストアップする。
  • 「Chat only」ロールでの利用者管理ポリシーを検討する。

次の一歩:

  • 今日やること:n8n Chat Hubのドキュメントを読み、基本概念を把握する。
  • 今週やること:テスト環境で簡単なワークフローエージェントを1つ作成してみる。

7. 限界と未確定

  • ベータ版であり、今後のリリースで仕様変更が入る可能性があります。
  • ローカルOllama連携には不具合があり、v2.1.2で修正予定です。
  • セルフホスト版とCloud版での機能差は公式ドキュメントで確認が必要です。

8. 用語ミニ解説

  • チャット形式でAIやワークフローと対話できるn8nの統合インターフェースです。(Chat Hub)

9. 出典と日付

n8n Community(公開日:2025-12-15):https://community.n8n.io/t/announcing-chat-hub-beta/236446