これは何の話?

Gemini 3によるエージェント構築フレームワーク

GoogleがGemini 3を活用したエージェント構築の実践ガイドをGoogle Developers Blogで公開しました。エージェント開発を始めたい開発者向けに、すぐに動かせるサンプルコードとともに6つのフレームワークとの連携方法が解説されています。

AI業界はエージェント開発の新しいフェーズに入っています。単純なチャットボットから、ブラウザ操作やソーシャルメディア連携など、現実世界のタスクを処理できる本番環境向けワークフローへと進化しています。Gemini 3はこれらのワークフローの中核オーケストレーターとして設計されています。

エージェントエコシステム構図
┌────────────────────────────────────────────┐
│           Gemini 3(オーケストレーター)    │
│                  ↓                         │
│  ┌──────┐ ┌──────┐ ┌──────┐ ┌──────┐       │
│  │ ADK  │ │Agno  │ │Browser│ │Letta │ ...  │
│  │ Use  │ │      │ │ Use  │ │      │       │
│  └──┬───┘ └──┬───┘ └──┬───┘ └──┬───┘       │
│     │        │        │        │           │
│  ツール   メモリ   ブラウザ  状態管理       │
└────────────────────────────────────────────┘

何がわかったか

Gemini 3とエージェントフレームワークの連携

今回公開された6つの連携例について整理します。

ADK(Agent Development Kit)は、Google製のオープンソースフレームワークです。小売店舗の立地戦略を分析するエージェントのサンプルでは、Google検索、Google Maps、コード実行、Nano Banana Proによる画像生成を組み合わせて、最終的にレポートとインフォグラフィックを生成します。

Agnoは、マルチエージェントシステム構築向けのフレームワークです。Gemini 3 Proの「Grounding with Google Search」機能と組み合わせたリサーチエージェントの例が示されています。

Browser Useは、AIエージェントがウェブサイトと対話するためのライブラリです。フォーム入力エージェントのデモでは、Gemini 3のマルチモーダル能力を活用して、CSSセレクタに頼らず視覚的にフィールドを識別しています。

Eigentは、CAMEL frameworkを活用したローカルファーストのマルチエージェントプラットフォームです。Salesforceダッシュボードの自動操作など、企業向けブラウザ自動化の例が示されています。

Lettaは、状態を保持するエージェント構築プラットフォームです。MemGPTの開発者によるもので、「ソーシャルエージェント」のデモでは、対話を通じて進化する永続的メモリを実装しています。

mem0は、AIアプリケーションにメモリ層を提供するフレームワークです。Gemini 3と組み合わせることで、ユーザーの好みや過去のやり取りを記憶するパーソナライズドエージェントが構築できます。

他とどう違うのか

単なるAPI解説ではなく、すぐにクローンして実行できるリポジトリが提供されている点が特徴です。理論ではなく「動くコード」を見ながら学べる構成になっています。

なぜこれが重要か

エージェント開発はモデル単体の性能だけでなく、周辺ツールとの統合が成否を分けます。Googleが公式に主要フレームワークとの連携例を示すことで、Gemini 3中心のエージェントエコシステムが形成されつつあります。

未来の展開・戦略性

ADKのTypeScript版も同時期に公開されており、JavaScript系開発者への門戸が広がっています。今後、Agent Gardenなどのマーケットプレイスを通じて再利用可能なエージェントパターンが蓄積されることが予想されます。

どう考え、どう動くか

エージェント開発を検討している開発者の視点で考えると、まずは動くサンプルを手元で動かすことが第一歩です。

  • ADK Retail Location Strategyサンプルをクローンして、ローカルで動作確認する。
  • Browser Useのフォーム入力デモを試し、マルチモーダルの精度を体感する。
  • 自社ユースケースに最も近いフレームワークを選定し、検証フェーズに入る。

次の一歩:

  • 今日やること:6つのリポジトリを確認し、最も関心の高いものを1つクローンする。
  • 今週やること:選んだフレームワークで簡単なエージェントを動かし、制約や課題を洗い出す。

限界と未確定

  • 各フレームワークの本番環境での安定性は検証が必要。
  • コスト試算(APIコール単価と処理時間)は個別に確認が必要。
  • 次に確認すべきは、Gemini 3 Developer Guideでの詳細な技術仕様。

用語ミニ解説

複数のAIエージェントが協調してタスクを実行する仕組み(マルチエージェントシステム / multi-agent system)は、単一エージェントでは困難な複雑なワークフローを実現する手法です。

出典と日付

Google Developers Blog(公開日:2025-12-20):https://developers.googleblog.com/real-world-agent-examples-with-gemini-3/