これは何の話?
KyndrylがDowとの協業を拡大し、グローバルなインフラとアプリケーションのモダナイズをAIと自動化で加速させる新契約を締結したという発表です。20年近いパートナーシップを基盤に、Dowの技術スタック全体を対象とした刷新を進めます。[1]
何がわかったか
- KyndrylはDowのクラウド、ネットワーク、デジタルワークプレイス、セキュリティ、アプリケーションを含むITインフラを引き続きマネージし、AIと自動化を注入して運用効率を高めます。
- Dow側はAIと自動化を活用したモダナイズで生産性とイノベーション速度を引き上げる狙いを明確化し、既にコスト削減効果が出ているとコメントしました。
- 目的は、レガシー資産を抱えたままでも運用を止めずに刷新し、グローバル業務の俊敏性を確保することです。
他とどう違うのか
AIのニュースは新規アプリやサービスが中心になりがちですが、本件は既存の大規模インフラと業務アプリを対象にAIと自動化を適用する“実務フェーズ”に焦点を当てています。新規構築ではなく「使いながら刷新する」点が特徴です。
なぜこれが重要か
大企業はメインフレームやオンプレアプリを抱えており、DXを進めるにはレガシー領域へのAI適用が避けられません。Dowのようなグローバル組織がAI+自動化をインフラ刷新の中核に据えることで、他社にも「運用を止めずに段階的に置き換える」実践例が示されます。
未来の展開・戦略性
インフラサービス企業は単なるクラウド移行だけでなく、AIと自動化をセットにしたモダナイズを標準提案とする流れが強まりそうです。ユーザー側も、既存資産を活かしながらAIを組み込む戦略と、効果測定の指標を用意する必要があります。
どう考え、どう動くか
例:自社のインフラ/アプリ資産のうち、AIと自動化で運用改善が見込める領域を一つ選び、刷新計画に組み込む。
- 現行の運用コスト・障害対応時間・人手依存度を計測し、AI/自動化適用後の改善余地を仮試算する。
- 既存ベンダーがAI+自動化をどこまでサポートできるか、ロードマップを確認する。
- モダナイズ時に必要なデータガバナンスやアクセス制御の要件を整理し、企画段階で合意を得る。 次の一歩: ・今日やること:Kyndryl×DowのAIモダナイズ発表を関連部門へ共有し、同様のユースケース有無を確認する。 ・今週やること:自社インフラ刷新プロジェクトの進捗とAI活用可能性を棚卸し、優先領域を1件選定する。
限界と未確定
- 公表内容は契約拡大の枠組みに留まり、具体的な導入スケジュールや対象アプリ一覧、ROIは非公開です。
- AIと自動化を導入しても、組織や業務プロセスの変革が伴わなければ成果が限定される恐れがあります。
- 他社で同程度の成果が得られるかは、レガシー構成やデータ品質によって大きく異なります。
出典と日付
[1] PR Newswire(公開日:2025-11-10/最終確認日:2025-11-11)