1. これは何の話?
ロボット基盤モデル(VLA:Vision-Language-Action Model)を活用した「汎用ロボットワーカー」の開発を進めるMuso Action株式会社が、シードラウンドで総額1億円の資金調達を実施したと発表しました。ロボティクス×AI領域のスタートアップ動向や、製造・物流現場の自動化技術を追う方向けに、この資金調達の意味を整理します。
本ラウンドでは、East Ventures、GMO AI&ロボティクス商事、そして個人投資家の田中渓氏が投資家として参画しています。調達方式はJ-KISS型新株予約権と日本政策金融公庫からの創業融資を組み合わせた形になります。
2. 何がわかったか
Muso Actionは、VLAモデル(視覚・言語・動作を統合した基盤モデル)と、力制御・遠隔操作(テレオペレーション)技術を組み合わせることで、現場ごとに異なる作業を柔軟にこなす汎用ロボットの実現を目指しています。
調達資金は主にエンジニア採用の強化と開発体制の拡充に充てられます。現在、AIロボティクスエンジニア(基盤モデル・機械学習担当)とロボット制御エンジニア(力制御・運動制御担当)を募集しています。直近ではロボット基盤モデルを活用した実証実験の開始が予定されています。
3. 他とどう違うのか
従来の産業用ロボットは、特定タスクに特化したプログラミングが必要で、現場変更のたびに再設定が求められました。Muso Actionは「軽作業の汎用代替」をコンセプトに、VLAモデルによって多様な作業を1台のロボットで対応可能にすることを狙っています。
GMO AI&ロボティクス商事にとって本件が第1号投資案件となる点も注目です。ロボティクス領域への投資を本格化させる姿勢が表れています。
4. なぜこれが重要か
日本をはじめとする先進国では、製造・物流・小売の現場で人手不足が慢性化しています。一方で、現場ごとに異なる作業への対応が難しいという課題が、ロボット導入の障壁になってきました。VLAモデルの発展により、この「汎用性」の課題を克服できる可能性が見えてきています。
投資家からのコメントでは「エネルギー革命、産業革命、インターネット革命、AI革命の次に社会実装されるのがロボティクス革命」という見解が示されており、中長期での成長期待が伺えます。
5. 未来の展開・戦略性
Muso Actionは今後、ロボット基盤モデル・制御・ソフトウェアを横断的に扱える開発体制を構築し、製造・物流現場を想定した実証実験を開始します。実証を通じてデータを蓄積し、汎用的に再利用可能なロボット動作モデルの構築を進める計画です。
EUのCobotや米国のヒューマノイドロボット企業との競争もありますが、日本の現場に特化した「軽作業」領域でのポジショニングを確立できるかが焦点になります。
6. どう考え、どう動くか
たとえば、製造・物流現場で人手不足に直面している事業者は、今後1〜2年でこうした汎用ロボット技術の実証結果を注視することで、導入判断の参考にできます。
指針:
- VLAモデルの進化動向(学術論文やNVIDIA GR00T N1など)を四半期ごとにチェックする。
- 自社現場でロボット導入可能な「軽作業」を洗い出しておく。
- 実証実験への参加可否をMuso Actionに問い合わせることを検討する。
次の一歩:
- 今日やること:VLAモデルの基礎概念を解説記事1件で把握する。
- 今週やること:社内の人手不足が深刻な工程を3つリストアップする。
7. 限界と未確定
- VLAモデルを用いたロボットの実際の作業成功率や対応可能タスク範囲は、実証実験前のため未公開です。
- 製品化・量産のタイムラインは発表されていません。
- 今回の調達がシード段階であり、追加資金調達の必要性がある可能性があります。
8. 用語ミニ解説
- カメラ映像(Vision)と自然言語指示(Language)を理解し、ロボットの動作(Action)を生成する統合AIモデルです。(VLAモデル / Vision-Language-Action Model)
9. 出典と日付
PR TIMES(公開日:2025-12-19):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000170391.html






