1. これは何の話?

ラストワンマイル配送の自動化に関心を持つ物流・小売業者向けに、シンガポールのQuikBot Technologiesが都市部で自律配送ロボットを稼働させているニュースを整理します。

一行図解:スマートロッカー(QuikFox) → 小型配送ロボット(QuikCat) → オフィス・家庭への配送完了

QuikBot配送エコシステム

QuikBot Technologiesは2021年にAlan Ng氏がコロナ禍中に創業したAI物流企業です。eコマースの急成長で配送需要が増える一方、シンガポールや日本、韓国など先進国では配送人員不足が深刻化しており、その課題解決を目指しています。

2. 何がわかったか

QuikBotは現在2種類の配送ロボットとスマートロッカーでエコシステムを構成しています。長距離自律ロボット「QuikFox」がスマートロッカーを搭載して配送拠点まで移動し、小型ロボット「QuikCat」が短距離の最終配送を担当します。受取人はSMSで届くワンタイムパスワードを使ってロッカーを開錠し、荷物を受け取る仕組みです。

ロボットは自動ドア、エレベーター、ターンスタイルを自律的に通過でき、オフィスビル内での配送を可能にしています。

3. 他とどう違うのか

QuikBotは「私たちはロボット会社ではなく、ビルの自動化を支援する会社」と位置づけています。ロボット販売ではなく、建物のインフラと連携してロボットが自由に移動できる環境を構築し、企業が求める用途に合わせてプログラムするアプローチが特徴です。

米国のServe Roboticsが単独の配送ロボットを提供するのに対し、QuikBotは長距離・短距離ロボットとスマートロッカーを組み合わせた統合ソリューションを展開しています。

4. なぜこれが重要か

ラストワンマイル配送はコスト全体の大きな割合を占め、ドライバーが駐車してビルまで荷物を届ける時間は非効率の温床でした。自律ロボットがこの工程を代替できれば、配送コストと時間の大幅削減が期待できます。

2025年7月にFedExと提携を発表し、South Beach TowerやMapletree Business Cityでパイロットを成功させており、大手物流企業との連携が商用化を加速しています。

5. 未来の展開・戦略性

QuikBotはAI対応ロボットにより配送が30%高速化し、排出量が20%削減されると主張しています。FedExのような大手との提携が広がれば、シンガポール以外のアジア太平洋市場への展開も視野に入ります。

都市部の高層ビルが密集する環境での実績は、同様の都市構造を持つ日本や香港、韓国への横展開に有利に働く可能性があります。

6. どう考え、どう動くか

例えば、都市部のオフィスビルや商業施設を抱える不動産管理会社が、配送ロボット導入でテナント向けサービスを強化するといった活用が考えられます。

指針:

  • 自社施設でのラストワンマイル配送コストを算出し、ロボット導入の損益分岐点を試算する。
  • QuikBotのビル統合アプローチが自社施設のインフラで実現可能か技術検討する。
  • シンガポールでの実績データを入手し、日本市場への適用可能性を評価する。

次の一歩:

  • 今日やること:QuikBot Technologies公式サイトで最新の導入事例を確認する。
  • 今週やること:自社施設の配送動線を1件マッピングし、自動化の余地を特定する。

7. 限界と未確定

  • 30%高速・20%低排出という数値の詳細な測定条件や比較対象は明示されていない。公式資料で確認が必要。
  • シンガポール以外での規制対応や展開計画は現時点で不明。
  • 日本市場での価格帯やサポート体制に関する情報は見当たらない。

8. 用語ミニ解説

  • 物流拠点から最終消費者までの配送区間で、コストと時間がかかる工程。(ラストワンマイル / Last Mile Delivery)

9. 出典と日付

IndexBox(公開日:2025-12-18):https://www.indexbox.io/blog/quikbots-delivery-robots-automate-last-mile-delivery-in-singapore/