1. これは何の話?
コーディングエージェントを活用したい開発者やチーム向けに、Zhipu AI(智譜AI)がGLM-4.7をリリースしました。前バージョンGLM-4.6から大幅に性能が向上し、SWE-benchで73.8%(+5.8ポイント)、多言語対応のSWE-bench Multilingualで66.7%(+12.9ポイント)、ターミナル操作を評価するTerminal Bench 2.0で41%(+16.5ポイント)を達成しています。Claude Code、Kilo Code、Cline、Roo Codeといった主要なコーディングエージェントフレームワークで利用可能です。
2. 何がわかったか

GLM-4.7はコーディング以外にも、UI品質の向上(Vibe Coding)、ツール利用能力、複雑な推論能力で改善が見られます。Humanity's Last Exam(HLE)ベンチマークでは42.8%(+12.4ポイント)を達成しました。GPT-5、GPT-5.1-High、Claude Sonnet 4.5、Gemini 3.0 Pro、DeepSeek-V3.2、Kimi K2 Thinkingとの比較データが公開されており、17のベンチマーク(推論8、コーディング5、エージェント3)で詳細な性能比較が可能です。モデル重みはHuggingFaceとModelScopeで公開されており、vLLMやSGLangでのローカル推論もサポートされています。
3. 他とどう違うのか
GLM-4.7の特徴は「Interleaved Thinking」と「Preserved Thinking」機能です。Interleaved Thinkingは応答やツール呼び出しの前に毎回思考を挟み、指示への追従と生成品質を向上させます。Preserved Thinkingは複数ターンにわたる会話で過去の思考ブロックを保持し、長期的なタスクでの一貫性を維持します。さらに「Turn-level Thinking」でターンごとに思考モードのオン・オフを切り替え、軽量なリクエストではレイテンシとコストを削減できます。
4. なぜこれが重要か
コーディングエージェントの実用性は、単なるベンチマークスコアだけでなく「使用感」に左右されます。GLM-4.7はClaude Codeなど既存ワークフローにそのまま組み込めるため、導入障壁が低いです。料金はClaude相当のモデルの7分の1で、利用枠は3倍という価格設定も特徴的です。オープンウェイト公開により、自社環境でのホスティングやカスタマイズも可能になります。
5. 未来の展開・戦略性
Zhipu AIはZ.aiプラットフォームを通じてGLM-4.7を提供しつつ、OpenRouterでのグローバル展開も行っています。コーディングエージェント市場が拡大するなか、Claude CodeやClineの標準モデルとしてGLM-4.7が選ばれるケースが増えれば、中国発のLLMがグローバルの開発ワークフローに浸透する第一歩になります。Preserved Thinking機能は特に長期プロジェクトや複雑なリファクタリングで威力を発揮しそうです。
6. どう考え、どう動くか
例えば、現在Claude Codeを使っているチームがコスト削減を検討しているなら、GLM-4.7への切り替えで同等以上の性能を7分の1の料金で得られる可能性があります。
指針:
- Claude Codeの設定でモデル名を「glm-4.7」に変更し、既存プロジェクトで試す。
- Preserved Thinkingを有効にして、長いコーディングセッションでの一貫性を確認する。
- Z.aiの月額プラン(GLM Coding Plan)と現在のAPI費用を比較する。
次の一歩:
- 今日やること:Z.aiでGLM-4.7を1タスク試してみる。
- 今週やること:既存のCline/Claude Codeプロジェクトで品質差を3回比較する。
7. 限界と未確定
- 日本語でのコーディング能力や日本語コメント・ドキュメント生成の品質は明確に言及されていません。実際の利用前に検証が必要です。
- SWE-benchなどのスコアは特定設定(temperature 0.7、max tokens 16384など)での結果であり、設定変更による影響は個別に確認が必要です。
- ローカルホスティング時のハードウェア要件(GPU種類・VRAM量)は公式GitHubで要確認です。
8. 用語ミニ解説
- Interleaved Thinking:応答やツール呼び出しの前に「思考」ステップを挟む機能です。指示追従と出力品質を高めます。
- Preserved Thinking:複数ターンにわたり過去の思考内容を保持し、長期タスクでの一貫性を維持する機能です。
9. 出典と日付
Z.ai(公開日:2025-12月/最終確認日:2025-12-23):https://z.ai/blog/glm-4.7
arXiv Tech Report:https://arxiv.org/abs/2508.06471






