1. これは何の話?
北海道札幌市で、米国製の除雪ロボット「Yarbo」を用いた自動除雪の実証試験が開始されました。株式会社QYURUと開北工業株式会社が共同で実施するこの試験は、除雪作業の自動化・効率化を目指すプロジェクトです。北海道では毎冬、慢性的な除雪人手不足と作業者の高齢化が深刻な課題となっており、ロボット技術によるこの負担軽減への期待が高まっています。自治体や建設・土木関係者にとって、除雪作業の省力化は喫緊の課題であり、この実証試験はその解決策の可能性を探る重要な取り組みとなっています。
2. 何がわかったか
Yarboは米国で1万台以上の納入実績を持つ除雪ロボットで、2025年12月から国内販売が開始されました。主な仕様として、投雪距離は約1.8〜12m、除雪幅は約60cm、対応積雪深は約30cmとなっています。1回の充電で約1時間30分稼働し、非接触ワイヤレス充電に対応しています。モジュール交換式の多機能ロボットで、除雪のほか芝刈りやブロワーにも交換可能です。投雪方向は−10°〜190°まで調整でき、IPX5の防水性能を備えています。操作はスマホアプリまたは物理コントローラーで行え、自動稼働と自動充電にも対応しています。
3. 他とどう違うのか
従来の除雪作業は人力や大型除雪車に依存しており、オペレーター確保が年々困難になっていました。Yarboの特徴は、住宅の敷地や駐車場など比較的小規模なエリアで自律的に稼働できる点にあります。また、モジュール交換によって除雪以外の作業(芝刈りなど)にも転用できるため、通年での活用が可能です。大型機械では入れない狭い場所でも作業でき、人手不足の現場を補完する役割が期待されています。
4. なぜこれが重要か
この実証試験は、日本の豪雪地帯における除雪問題へのロボット技術適用の実現可能性を示す重要な一歩です。北海道では除雪作業員の高齢化と人手不足が深刻化しており、従来の人海戦術に頼る体制は限界を迎えつつあります。ロボットによる自動除雪が実用レベルで機能すれば、自治体や民間事業者の除雪体制維持に大きく貢献する可能性があります。
5. 未来の展開・戦略性
今回の実証試験で収集される稼働データや環境条件の分析結果は、今後の除雪ロボット導入拡大の基盤となるでしょう。実用性が確認されれば、北海道内の他地域や東北・北陸などの豪雪地帯への展開が見込まれます。将来的には、複数台のロボットを連携させた広域除雪や、気象データと連動した予防的除雪など、より高度な運用へと発展する可能性もあります。
6. どう考え、どう動くか
たとえば自治体の除雪担当者であれば、今回の公開デモ(2025年12月19日・札幌市水道局厚別庁舎)に参加し、実際の稼働状況を確認することで、自地域への導入可能性を判断する材料が得られます。
指針:
- 12月19日の公開デモに参加し、実機の性能と課題を自分の目で確認する。
- 自地域の除雪面積・積雪量とYarboのスペックを比較し、適用可能性を検討する。
- 実証試験の結果発表を追い、費用対効果のデータを収集する。
次の一歩:
- 今日やること:Yarbo公式サイト(https://www.yarbo.com/)で詳細仕様を確認する。
- 今週やること:株式会社QYURU(qyuru.com)に問い合わせ、デモ参加または情報提供の可否を確認する。
7. 限界と未確定
- 積雪深30cm対応とされているが、北海道の豪雪時(50cm以上)での性能は未検証。実証試験の結果待ち。
- 長時間の連続稼働や大面積への対応力は不明。複数台運用のコスト試算も公開されていない。
- 寒冷地でのバッテリー性能(低温時の容量低下など)についてはメーカー公表値以上の詳細が必要。PR TIMES・Yarbo公式の続報を確認する。
8. 用語ミニ解説
- 雪を遠くへ飛ばす距離のこと。(投雪距離 / throw distance)
- 水がかかっても壊れにくい防水レベル。(IPX5 / Ingress Protection X5)
9. 出典と日付
株式会社QYURU(公開日:2025-12-15):https://www.excite.co.jp/news/article/Prtimes_2025-12-15-173883-1/






