これは何の話?
中国・深圳市は2025年12月13日、世界初となる「ロボットフレンドリー」デモゾーンの構築計画を発表しました。これは、サービスロボットが街中で活動しやすい都市空間を設計する取り組みです。
広東・香港・マカオ大湾区の人工知能・ロボット産業会議で発表されたこの計画は、ロボティクス分野への参入を検討する企業や、中国のテクノロジー戦略を追う読者向けに解説します。
何がわかったか
発表された計画の主要ポイントは以下の通りです。
- 「1+1+N」フレームワーク:広東省全体でエンボディドインテリジェンス(身体性を持つAI)のトレーニング施設を構築
- 深圳デモエリア:閉鎖環境でのトレーニング後、街区での公開トレーニングを実施
- 複数都市展開:他都市にも専門分野別のプラットフォームを設置し、リソース共有を推進
広東省のロボット産業の規模は以下の通りです。
- 2024年のAIコア産業:約2,200億元
- 2025年1〜10月:2,300億元を超過
- 産業用ロボット生産:全国シェア40%以上で5年連続1位
- サービスロボット生産:全国シェア80%

他とどう違うのか
従来のロボット開発は、工場や研究施設など閉鎖環境で行われてきました。深圳の計画は、実際の街区でロボットをトレーニングするという点で画期的です。
また、中国の他地域と異なり、広東省は完全かつ自律的な産業エコシステムを持ち、大規模製造能力と市場展開力を兼ね備えています。これが「ロボットフレンドリー」都市を実現できる基盤となっています。
なぜこれが重要か
この動きは、ヒューマノイドロボットの実用化が「次世代スーパーアプリ」として位置づけられていることを示しています。スマートフォンや新エネルギー車に続くカテゴリとして、中国政府が戦略的に推進しています。
公開データによると、2025年1〜10月の中国国内でのヒューマノイドロボット取引注文は5,700台に達し、年末までに約1万台の導入が見込まれています。
未来の展開・戦略性
深圳のUBTECH Roboticsは2025年7月と9月に、それぞれ9,051万元と2億5,000万元の契約を獲得し、ヒューマノイドロボット分野で世界最大の単一契約記録を更新しています。
広東省は最大5,000万元の財政支援を含む12の支援策を打ち出しており、コア技術の突破、応用シナリオの開放、製造革新センターの設立などを推進しています。
どう考え、どう動くか
具体例:製造業でのロボット導入を検討する日本企業であれば、広東省の動向をベンチマークとして、自社のロボティクス戦略を見直す契機になります。
指針:
- 広東省のロボット産業政策を継続的にモニタリングする
- 中国製ヒューマノイドの価格・性能動向を調査し、導入コストを試算する
- 「ロボットフレンドリー」な施設設計が自社事業にどう影響するか検討する
次の一歩:
- 今日やること:UBTECHなど主要ヒューマノイドメーカーの製品ラインナップを確認する
- 今週やること:広東省のロボット関連政策文書を入手し、サマリーを作成する
限界と未確定
- 実証開始時期:具体的なデモゾーン稼働開始日は未発表
- 国外展開:広東省以外、特に国外への技術移転や製品輸出の方針は不明
- 安全基準:街区でのロボット運用に関する安全規制の詳細は未公開
用語ミニ解説
- エンボディドインテリジェンス:身体を持ち、物理世界で行動できるAI。ヒューマノイドロボットなどが該当する
- トレーニンググラウンド:ロボットが実環境で学習・訓練するための施設や区域
出典
News GD(公開日:2025-12-14):https://info.newsgd.com/node_a42013034a/beec2f4bb2.shtml






