1. これは何の話?
ゲーム開発・3DCGアーティスト向けに、Ubisoftの研究開発部門「Ubisoft La Forge」がPBRマテリアル生成AIモデル「CHORD」をオープンソースで公開しました。1枚の画像から物理ベースレンダリングに必要なマテリアルマップを自動生成できます。
一行図解:テクスチャ画像 → CHORD → ノーマル・ハイト・ラフネスマップ自動生成
2. 何がわかったか
「CHORD(Chain of Rendering Decomposition)」は、入力された画像のアルベド(基本色)やカラーマップを解析し、ノーマル(法線)、ハイト(高さ)、ラフネス(粗さ)などのマップを自動生成します。Ubisoft La Forgeが開発中の「Generative Base Material」パイプラインの一部で、3層構成(テクスチャ生成→材質推定→アップスケーリング)の2層目を担います。
ComfyUI向けのノードセットも公開されており、既存のAI画像生成ワークフローに統合できます。
3. 他とどう違うのか
従来のPBRマテリアル作成は、Substance Designerなどの専門ツールで手作業により各マップを調整する必要がありました。CHORDは1枚の画像から自動でマップを生成するため、作業時間を大幅に短縮できます。ただし、現時点では非商用・学術研究目的に限定されています。
4. なぜこれが重要か
ゲーム開発においてマテリアル作成は工数のかかる作業です。AIによる自動化が進めば、アーティストはより創造的な作業に集中できます。大手ゲームパブリッシャーが自社研究成果をオープンソースで公開する動きは、業界全体の技術進歩に貢献します。
5. 未来の展開・戦略性
Ubisoft La Forgeは「Generative Base Material」パイプライン全体の研究を続けており、CHORDはその一部です。本論文はSIGGRAPH Asia 2025(2025年12月15日〜、香港)で発表予定であり、学術コミュニティからのフィードバックを得て改良が進むと予想されます。
6. どう考え、どう動くか
例えば、インディーゲーム開発者は学術研究目的でCHORDを試用し、自動生成マテリアルの品質を評価できます。
指針:
- GitHubからCHORDリポジトリをクローンし、サンプル画像で動作を確認する。
- ComfyUIノードセットを既存のワークフローに組み込む実験を行う。
- 自社プロジェクトでの商用利用可能性についてUbisoftにライセンス条件を問い合わせる。
次の一歩:
- 今日やること:CHORDのGitHubリポジトリをチェックし、必要環境を確認する。
- 今週やること:自社の既存テクスチャ5枚でCHORDを試し、品質を評価する。
7. 限界と未確定
- 現時点で非商用・学術研究目的に限定されており、商用ゲームへの直接利用は不可。
- 生成されるマップの品質が手作業と比較してどの程度かは公式ベンチマークなし。
- 対応する入力画像の種類・解像度の制限は要確認。
8. 用語ミニ解説
- 光の物理的な振る舞いをシミュレートするレンダリング手法。(PBR / Physically Based Rendering)
- ノードベースのAI画像生成インターフェース。(ComfyUI / コンフィーUI)
9. 出典と日付
ゲームメーカーズ(公開日:2025-12-12):https://gamemakers.jp/article/2025_12_12_126125/






